番付
番付は全力士の序列を一枚に記した順位表である。場所が終わると 成績に応じて編成し直し、次の場所の初日およそ2週間前の月曜に 発表する。相撲にはリーグ戦やプレーオフがなく、この一枚がその役目を担っている。
番付は毛筆で書かれた一枚の紙である。上にいくほど字が大きく、下にいくほど小さくなる。紙の上の字の大きさがそのまま序列を表す。
番付には決まった計算式がほとんどない。成文規定は大関の 降格・復帰と各段の定員くらいで、残りの枚数の動きはおおむね 審判部の慣例である。このサイトの予想が「正解」ではなく 「再現できる計算」を目標にしているのは、そのためである。
段 — 大きな区分
力士は六つの段のいずれかに属する。上の二段(幕内・十両)に 入った力士だけを関取と呼ぶ。
| 読み | 漢字 | 定員 | 区分 | 説明 |
|---|---|---|---|---|
| まくうち | 幕内 | 42人 | 関取 | 最上位の段。この中でさらに横綱〜前頭に分かれる |
| じゅうりょう | 十両 | 28人 | 関取 | 東西14枚。ここから月給が出る |
| まくした | 幕下 | 120人 | — | 東西60枚。十両のすぐ下で、昇進争いが最も激しい |
| さんだんめ | 三段目 | 160人 | — | 東西80枚(2025年1月以降。それ以前は180人・200人だった) |
| じょにだん | 序二段 | 定員なし | — | 人数が最も多い段。場所ごとに人数が変わる |
| じょのくち | 序ノ口 | 定員なし | — | 新弟子が初めて番付に名を載せる位置 |
定員は2026年9月時点。幕内42人は2004年1月から、十両28人も2004年1月から、幕下120人は1967年5月からである。
- せきとり関取
- 十両以上の力士。合わせて70人しかいない。月給が支給され、個室を与えられ、付け人がつき、正式な場では羽織袴を着る。
- まくしたいか幕下以下
- 月給がない。場所ごとの手当で暮らす。部屋で寝起きを共にし、関取の世話をする。十両昇進が人生を変える線と言われるゆえんである。
幕内の中の地位
幕内42人はさらに五つの地位に分かれる。上の四つ(横綱・大関・関脇・小結)をまとめて三役と呼ぶことが多い。厳密には大関・関脇・小結の三つを指す言葉だが、横綱を含めて使われる場合も多い。
| 読み | 漢字 | 定員 | 説明 |
|---|---|---|---|
| よこづな | 横綱 | 定員なし | 降格のない唯一の地位。成績が振るわなければ引退で答える |
| おおぜき | 大関 | 2人以上 | 昇降が成文規定で定められている唯一の地位(番付編成要領8条) |
| せきわけ | 関脇 | 東西1人ずつ以上 | 大関昇進を狙う地位 |
| こむすび | 小結 | 東西1人ずつ以上 | 三役の入口 |
| まえがしら | 前頭 | 残り全員 | 三役に入らない幕内力士。平幕とも呼ぶ |
横綱は不在のこともあれば複数のこともある。大関が2人に満たない場合は関脇から補う。
- まえがしら前頭
- 幕内から三役を除いた残り。上から 1枚目・2枚目…と番号がつき、番号が小さいほど上位。例えば前頭1枚目東は、幕内で五番目の位置にあたる。
- まいめ枚目
- 同じ地位の中での順番。1枚目が最上位。このサイトで「▲1.5枚」のように表示する「枚」がこの単位である。
東と西
同じ枚目にも東と西があり、東が西より半段上である。したがって前頭3枚目西は前頭3枚目東より一つ下で、前頭4枚目東よりは一つ上ということになる。
このサイトが誤差を0.5枚単位で数えているのもこのためである。東↔西の一つ分の差が0.5枚にあたる。
本場所 — 年六場所
本場所は奇数月に一度、年六回開かれる。一場所は日曜に初日を迎えて15日間続き、最終日を千秋楽という。
| 月 | 読み | 名称 | 開催地 |
|---|---|---|---|
| 1月 | はつばしょ | 初場所 | 東京(両国国技館) |
| 3月 | はるばしょ | 春場所 | 大阪 |
| 5月 | なつばしょ | 夏場所 | 東京(両国国技館) |
| 7月 | なごやばしょ | 名古屋場所 | 名古屋 |
| 9月 | あきばしょ | 秋場所 | 東京(両国国技館) |
| 11月 | きゅうしゅうばしょ | 九州場所 | 福岡 |
関取は15日間毎日一番ずつ、計15番を取る。幕下以下は15日間で7番のみ。
成績 — 勝ち越しと負け越し
- かちこし勝ち越し
- 勝ち数が負け数を上回ること。関取は15番中8勝、幕下以下は7番中4勝から。勝ち越せば原則として地位が上がる。
- まけこし負け越し
- 負け数のほうが多いこと。地位が下がる。十両で大きく負け越すと幕下に落ち、月給が止まる。
- ゆうしょう優勝
- 各段ごとに別々に決まる。同成績が並んだ場合は 千秋楽に決定戦(巴戦など)を行う。
- きんぼし金星
- 前頭が横綱に勝つこと。一つ獲ると 引退するまで手当が加算され続ける。大関に勝っても金星にはならない。
- さんしょう三賞
- 幕内で勝ち越した力士に贈られる三つの賞 — 殊勲賞・敢闘賞・技能賞。横綱と大関は対象外である。
昇進と降格 — どこまでが規則か
「成績が良ければ上がる」という原則ははっきりしているが、何枚上がるかはほとんど決まっていない。文章になっている規則は 次の程度である。
- 大関の降格番付編成要領8条
- 大関が負け越すと次の場所は 角番になる。角番でまた負け越せば 関脇に下がる。成文規定はこれだけである。
- 大関特例復帰
- 降格した直後の場所で関脇として 10勝以上を挙げれば大関に戻る。
- 十両昇進内規
- 幕下15枚目以内で7戦全勝すれば 十両昇進の対象となる(1967年5月導入)。ただし「番付編成の都合による」という但し書きがつく。
- 大関昇進
- 規定ではなく経験則である。関脇以上で 直前三場所合計33勝程度が一つの目安として語られる。審判部が臨時理事会に諮って決定する。
- 横綱昇進
- 大関が二場所連続優勝、またはそれに準ずる 成績を挙げた場合に、横綱審議委員会の審議を経て 決定する。成績だけで自動的に決まるものではない。
- 横綱の降格
- ない。横綱は下がらない。その代わり、成績を残せなくなれば引退する。
このサイトの予想エンジンは上の成文規則をそのまま適用し、残りの枚数の動きは、過去10年の実際の番付から「同じ地位・同じ成績なら実際に何枚動いたか」を学んだ表で補っている。幕下から序ノ口までも同じ方法で別に学んでいる(新弟子は前場所の成績がないため予想しない)。各行の「根拠」が規則なのか計算なのかを表示しているのも、そのためである。
決まり手
一番が終わると、審判が「何で勝ったか」を一つ選ぶ。これが決まり手である。協会が定めるのは82手で、これに非技が 五つ加わる。ただし実際には上位十ほどが大半を占める — 寄り切りと押し出しの二つで全体の半分ほどになる。
このサイトの「開催中の場所」画面で勝敗の横に添えられる語が決まり手である。
きほんわざ 基本技
押す・寄る、最もよく出る技
なげて 投げ手
まわしや腕を取って投げる技
かけて 掛け手
足を掛ける・蹴って倒す技
ひねりて 捻り手
体をひねって相手の均衡を崩す技
とくしゅわざ 特殊技
上のどれにも入らない技
ひわざ 非技
相手が自分から崩れた場合や反則の場合
ここに載せていない技は名前だけが出ます。協会の82手をすべて 書き並べるより、実際に目にするものから書きました — 説明を作らないという原則はここでも同じです。
部屋と一門
力士は必ずいずれかの部屋に所属する。部屋は稽古場であり寝起きの場でもあり、引退した力士が親方として運営する。現在46ほどある。
その部屋をさらにまとめたものが一門である。分家した系譜に沿って 五つに分かれる — 二所ノ関・出羽海・時津風・伊勢ヶ濱・高砂。巡業の運営、協会の選挙、親方の人事がこの単位で動く。
- へや部屋
- 力士が所属する単位。同じ部屋同士は本場所で 対戦しない(優勝決定戦は例外)。
- いちもん一門
- 部屋の系譜によるまとまり。同じ一門同士も原則として 本場所では対戦しない。
- おやかた親方
- 部屋を運営する引退力士。協会の年寄名跡を 持つ者だけがなれる。
- つけびと付け人
- 関取の世話をする下位の力士。同じ部屋からつく。
部屋ページの一門ボタンで、同じ一門の部屋だけをまとめて見られます。一門は協会が公式な一覧として出していません。そこで異なる二つの資料を 突き合わせて表にし、両者が一致するものだけを採っています (下の出典)。確認が取れない部屋は「一門不明」のままにします — 推測で割り当てることはしません。
このサイトで使う言葉
- 取組
- その日に編成された対戦表。左が東、右が西で、結果がまだ出ていない一番は「予定」としています。
- 対戦成績
- 二人がこれまでに対戦した通算成績。左の数字が東の力士の勝ち数で、このサイトが取り込んだ 取組記録の範囲だけで数えた値です。
- 予想順位
- 予想エンジンが計算した次の場所の地位。
- 実際の順位
- 協会が実際に発表した地位。発表前はこの列は出ません。
- 差
- ▲は実際が予想より上(予想が低く見ていた)、▼は実際が予想より下(予想が高く見ていた)。一致していれば「的中」です。
- ±1枚以内
- 予想と実際の差が1枚以下だった割合。完全一致よりも、こちらのほうが体感の精度に近い指標です。
- 平均誤差
- 全力士の差を枚単位で平均した値。小さいほど良い。
- 確信度
- その行の予想をエンジンがどれだけ確からしいと見ているか。成文規則で決まる位置は高く、計算で補った位置は低くなります。幕下以下は「過去10年の同じ地位・同じ成績で、実際が±1枚以内に入った割合」です。
出典
定員と内規は下の資料を確認して書きました。定員は変わることがあるので、本文に「いつから」も添えてあります。